齋藤 和雄
 同窓会会長に就任して
同窓会会長
齋藤 和雄(35期)
 

 今年は例年にない暖冬といわれ、雪融けはいつもより早かった。手稲の頂には、まだ残雪があるが、春の兆しが感じられ、一段と美しい。円山公園の桜花は、ゴールデンウィークの前に満開となり、山桜は散り、今は八重桜が満開で、連翹(れんぎょう)、つつじ、紫のライラックの花、色とりどりのチューリップの花、これらに加えて野山の新緑が勢良く色付き始め、すばらしい北海道の季節が訪れました。一方、社会状勢はめまぐるしく変化し、経済状況は悪化の道をたどり、とりわけ、医療環境においては、医療法の改正により、一段と厳しい状況下におかれようとしています。このような社会状勢にも拘わらず同窓生諸賢におかれましては、益々ご清栄のことと心からお慶び申し上げます。
  さて、不肖、私、この4月23日に開催されました北海道大学医学部同窓会評議員会において同窓会会長を仰せつかり、この任に当たることになりました。もとより微力かつ浅学非才でありますが、この重責をひしひしと感じながら、同窓会の目的に沿って役員と共に一生懸命努める積もりでおりますので、何卒宜しくご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。
  振り返ってみますと、我々の母校、北海道大学医学部は1919年の創設以来80年余の歴史と伝統を誇り、旧帝国大学医学部から、1947年に新制総合大学として北海道大学医学部となり、現在、我が国の基幹総合大学の一つとして、大学院重点化を終え、21世紀に絶え得る総合大学医学部として基盤ができたと考えてよいと思います。これまで母校からは8,266名の卒業生が輩出され、同窓生は現在6,100名余を数え、全国および世界各地で活躍されています。そして同窓生諸賢が、国内で、また海外で母校を思う気持ちは様々であると考えられますが、母校の発展を望まない同窓生は一人もいないと思います。いうまでもなく同窓会の目的は、会員相互の親睦および会員の発展を図るとともに、医学部の振興・発展に寄与することであります。これらの目的を達成するためにこれまで同窓会は、昭和44年に医学部図書館の建設、平成7年に75周年記念事業による臨床講堂の近代的視聴覚教育設備の寄贈を行いました。これらは医学部の研究教育に十分役立っています。しかし、新しい世紀を迎え、大学のあり方が問われ、独立行政法人への移行が取り沙汰され、その検討が行われています。そのような医学部の節目に同窓会は、どんな支援ができるのか、検討する必要もあると考えます。建物に関しては、有馬文部大臣の時から新築ではなく、改築の大方針が示され、昭和42年から建てられた中・北・南研究棟は老朽化していますが、新築改築されると聞いております。その他、大学院重点化により増設された新しい講座・分野のために高層の新教育研究棟が南棟と歯学部との間にできるとのことです。
  毎年新入会員歓迎会が国家試験終了日に計画され、今年も3月18日に札幌パークホテルで行われました。西 信三医学部長の計らいで、とても盛り上がった会で卒業生の殆どが同窓会の入会手続きを済ませた78期生でした。会員相互の親睦は、各地区の同窓会(フラテ)支部毎に総会兼親睦会やゴルフ大会などを企画し、交流を積極的に進めることも必要と思います。
  田邊達三前同窓会長の時に会費値上げが認められ、同窓会の会計基盤も安定しております。東大鉄門会や慶大同窓会など他大学の同窓会活動に学びながら、より一層、同窓会の結束を図り、会員のための同窓会、北大医学部のための同窓会として、その活動の一層の充実と発展に寄与できれば幸いと考えています。幸い副会長に引き続き西 信三医学部長と新しく長瀬 清北海道医師会副会長(40期)に、編集委員長には橋本紘治先生(47期)にお願いできました。これからも、会員諸賢、北大医学部、同窓会との連携を一層密にしながら、同窓会活動に取り組んで行きたいと思いますので、会員の皆様に何卒宜しくお願い申し上げます。
  終わりに当り、これまで同窓会のためにご盡力された田邊達三前会長、松宮英視前議長、寺沢浩一前編集委員長および全役員、そして歴代の同窓会理事長ならびに役員各位に深甚なる敬意を表し、今後もより一層のお力添えをお願い申し上げる次第です。

 
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