医学部創立90周年記念事業を終えて
医学研究科 特任教授

本間 研一(47期)
 

 医学部創立90周年の記念事業を構想するに至ったのは2005年の秋だっただろうか、私が医学部長に就任して一段落した頃であった。当時、医学部は「名義貸し問題」で多くの教員が処分を受け意気消沈していた。さらに追い打ちをかけるように、学部の威信をかけた「21世紀COE」の不採択、「研究棟耐震改修工事」の中断、「国立大学法人化」による国からの予算や教員定員の大幅削減、医学部教員による「ハラスメント」など、明るい話題はほとんどなかった。その中で、医学部の求心力を高め、学内外におけるステータスを回復する切り札として浮上したのが創立90周年事業である。波及効果は山ほどある。早速、この構想を研究科長補佐であった小山司教授に話し協力を求めた。後日、小山教授が打ち明けて言うには、私が「High」になっているのではないかと内心心配だったと。その後同窓会の主だった先生に集まって頂き、構想の概要を説明した。いわく、どうして90周年なのか。いわく、どうして学友会館なのか。確かに100周年を目前にして90周年はしなくてもよいとの意見はあった。また、寄附を集めることに抵抗感を感じる後輩もいた。最後は、「やろう」という意思のある集団がいる時期がチャンスであると言って了解を得た。それから5年、思わぬ不況で募金活動は困難を極めたが、同窓会諸氏の強力な支援があって目玉であるフラテ会館の竣工をみた。遅れていた「医学部90年史」もこの新聞が発行される頃には上梓されているだろう。今年は卒業40周年。フラテ祭に同期(四七期)が集まり、久しぶりに心が弾む。

 
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