北大大学院医学研究科長・医学部長就任のご挨拶
医学研究科長・医学部長
安田 和則(52期)
 

 この度、北海道大学大学院医学研究科長・医学部長を拝命いたしました。2年間、大学院医学研究科・医学部の運営の責任を担うに当たり、一言ご挨拶申し上げます。

 現在、国は全国の国立大学法人に対して運営費交付金と教職員定員の削減を大幅かつ急速に進めています。そうした中で北海道大学医学研究科・医学部は、老朽化した施設や設備の中で厳しい運営を強いられてきました。しかし本間研一前医学研究科長のご尽力により、今後の飛躍へ向けた明るい光が見えており心から感謝申し上げます。しかし危機は未だ完全には回避されていません。私は現在の改革の方向性と施策を基本的に支持し推進する中で、その次に来るものを見すえ、多くの先生のご意見をよく聞き、私なりのバランス感覚で医学研究科・医学部を運営していきたいと思います。もし困難な問題に遭遇したときは、大学や医学の本来の使命に立ち返って本質を追求し、「理」を通し、「理」を貫く中で最善の解決を探すつもりです。

 人間性と科学性の調和を本質とする医学は、基盤研究と応用研究とが近接して存在し、さらにそれらが社会との直接的接点を有する特異な学問領域であります。したがって医学研究科、医学部、および大学病院は本質を具現化するための三位一体の複合体であります。私はこの複合体の使命である「生命科学、臨床医学、社会医学における高いレベルの研究の遂行と高度な医療の開発や実践」を追及し、研究・教育・診療の三者のバランスや臨床医学と基礎医学のバランスがとれた医学研究科・医学部・大学病院複合体の発展に努力いたします。教育に関しては、医学部カリキュラムや講義内容の質の向上を図り、また学部と大学院を繋ぐMD−PhDコースや大学院における3コースに工夫と改良を加えてこれらを発展させていきたいと考えております。

 医学部創立90周年記念事業は、同窓会の皆様を始め、多くの個人、団体、企業の皆様のご寄付により、医学研究科・医学部の研究・教育のインフラを支えていただける最重要課題であり、寄付目標達成と本年9月の学友会館「フラテ」の一期工事開始へ向けて全力を挙げて取り組みます。また「フラテ」の第2期工事としての管理棟耐震改修実施を国の施設整備費でやっていただくべく、概算要求等に全力を注ぐつもりです。

 どうかご指導、ご協力を宜しくお願い申し上げます。

 
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