国際シンポジウム・市民公開講座「環境と健康」報告
北大大学院医学研究科 生理学講座 時間生理学分野
本間さと(48期)
 
 洞爺湖サミットに先立つ本年6月25日から7月11日まで、北海道大学では「サステナビリティ・ウィーク2008」と題し、持続可能性をテーマに学内で30を超える会議や展示等が行われた。
この一環として、7月3-4日に、北海道大学学術交流会館・小講堂にて、医学研究科主催の国際シンポジウム・市民公開講座・市民討論会が開催された。
3つの会議に共通するテーマは「環境と健康」であり、地球温暖化,24時間社会,環境破壊などが健康や生活に及ぼす影響を検討し,将来に向けて人にやさしい社会と豊かな自然を取り戻すために何をすべきかを医学研究科として提案した。
会議はすべて公開とし、2日間の参加者は、学内 146名、学外166名(うち海外から11名)で、会場は非常椅子を出す盛況であった。
 7月3日午後と4日午前の国際シンポウム「変動する地球環境と人の暮らし」では、国際生物学賞受賞者のグローニンゲン大学Daan教授、睡眠研究第一人者のスタンフォード大学Dement教授の特別講演と3つのシンポジム「温度環境への適応」「環境を知る体の時計」「24時間社会と健康」が行われ、温暖化地球での暮らしや健康、生物が季節を知るメカニズム、社会の24時間化による健康障害とその対策についての講演があった。

  7月4日の午後に開催された市民公開講座「現代社会と健康障害:その予防と対策」では、医学研究科西村教授の司会のもと、岸教授の基調講演と、うつ、喘息、メタボリック症候群など、環境の諸問題と健康への影響に関する講演が行われ、タイムリーなトピックスに対する市民の質問への回答が示された。
また、4日夕方に開催された市民討論会では、導入機運が高まる「サマータイム制度」の省エネ効果、健康への影響などの問題に関する講演の後、市民による熱心な討論が行われた。  

  今回の会議の聴衆は主に学生と市民であり、全講演を聴いた市民も多かった。
市民からは、開かれた大学への賛同とさらなる機会拡充への要望があった。
学生にとっても、一般市民と共に講演を聴くことはよい経験であり、多くの学生が専門家の熱のこもった講演に、講義にはない魅力を感じていた。
会議運営に多大なご支援を頂いた医学系事務部、広報等の皆様に、紙面を借りて感謝の意を表します。

   

 
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