年頭のご挨拶−平成20年飛躍の年―

医学部・医学研究科長 本間 研一(47期)

 

 新年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。昨年は医療費抑制政策の中で、医師の過重労働、診療科偏在、地域医療問題などが一気に吹き出した年でした。その余波は大学にも及び、病院経営、医師不足、臨床系大学院問題など、多くの課題の解決に向けて明け暮れました。国立大学、特に医系大学・部局をめぐる環境が大きく変化していくなかで、北大医学研究科・医学部は新時代に対応すべく、様々な改革を進めています。

 主なとこでは、東北研究棟の耐震改修工事を行いました。年次進行の改修工事のなかで、後回しにされそうになった東北研究棟を、概算要求によらない新しい手法で資金を獲得、改修を断行しました。また、現在遺伝子病制御研究所との合同研究棟である北研究棟の改修を進めており、さらに、この4月からは、老朽化の著しい付属動物実験施設の改修を始めます。

 大学院改組もその1つです。従来の6専攻を1専攻にまとめ、コース制を導入しました。目玉は、いわゆる臨床研究の促進を目的とした臨床医学コースです。ここでは最長2年間、学外の医療機関に設置した連携講座で実践的臨床医学を履修します。また、道内医系3大学と連携し、癌医療のプロフェショナルを養成する特別コースも設置しました。これに伴い、大学院重点化で複雑化した組織を、生理系4講座、病理系2講座、社会医学系2講座、内科系2講座、外科系2講座、専門医学系4講座、先端医学系1講座に簡素化し、講座の名称も解剖学、生理学など、昔なじみのものに戻しました。

 研究に関しては、一昨年設置した連携研究センターを東北研究棟改修の際に整備し、ここでは「未来創薬医療イノベーション拠点形成プログラム」(平成18-27年)などの大型研究プロジェクトを展開しています。また昨年7月には、全国6拠点の1つとして「オール北海道橋渡し研究拠点形成プログラム」の実施本部「臨床開発機構」を医学研究科に設置しました。仕上げは医学教育研究の総司令部となる予定の医学部会館の建設です。

 この様に、北大医学研究科・医学部は国立大学法人化後の熾烈な大学間競争にやや遅れながらもスタートしました。同窓会の諸先生には、絶大なるご声援そしてご支援のほど、重ねてお願い申し上げます。

 
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