齋藤 和雄
 年頭のご挨拶 -医学部創立90周年の事業を成功させよう-
同窓会会長
齋藤 和雄(35期)
 

 新しい年を迎え、会員諸賢には愈々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 さて、我々を取り巻く社会保障関連の環境の変化はめまぐるしく、厚生年金および健康保険負担料率の増加、年金支給額の減少、医療費の減額、老人医療費の3割自己負担の実施など著しい変化をきたしております。景気の低迷による税収の減少と関連してガソリン税などの道路関連財源の一般財源化を可能とする法改正の動き、消費税率の値上げ問題等々、政府与党はいかにすれば国の財源確保が可能なのか頭を悩ましています。また、これまで市町村が財政破綻することなど、想像したことはありませんでしたが、夕張市のような事象が現実に起こると、国民の税金を財源として運営している国や地方自治体の管理運営者の責任が問われるのは当然であり、もっともっと先見の明をもって運営にあたってほしいものです。

 ところで、数年前、国立基幹総合大学のひとつである北海道大学は、文部科学省の主導で大学院重点化が行われ、医学部は大講座18、協力講座6、寄附講座2で、26講座49の専門分野となりました。専門分野となった旧講座は、定員増が認められなかったために1専門分野当りの定員は極端に少なくなり、それに加えて事務処理量が増え、教官本来の任務である研究、教育、診療に割かれる時間が侵食されていることを述べました。さらに、このような不備な状況下で、国は平成16年4月、国立大学を独立行政法人化しました。しかし、基盤が不十分なまま行われた改革のために学部の経済基盤は緩み、予算は削減され、老朽化した研究棟の改築はままならず大型改修で我慢せざるを得ない状況とのことです。にも拘らず教授を始め、教官スタッフは、教育、診療の傍ら優れた研究業績を上げるべく日夜努力しておられます。

 このような状況下で、母校の医学部は平成21年4月に創立90周年を迎えます。90周年を契機に我々同窓生は、母校のさらなる発展のために、計画されている創立90周年記念事業に積極的に協力して、立派なフラテ会館の建設を実現しようではありませんか。

 終わりに、会員諸賢の益々のご活躍とご健勝をお祈り申し上げ、平成19年が実り多い1年となりますことを願って止みません。

 
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