齋藤 和雄
 年頭のご挨拶  −同窓会の基盤確立と医学部の発展を望んで−
同窓会会長
齋藤 和雄(35期)
 

  同窓会会員の皆様、新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、この新しい年を、希望の持てる良い年にしようと、種々考えているのではないかと推察いたします。
  昨年、わが国は27回もの台風にみまわれ、北大キャンパスにおける第18号台風の被害は相当なもので、はるにれやポプラ並木の倒壊は想像を絶し、悲惨そのものでした。それに、新潟地震による甚大な被害と年末にスマトラ沖で発生した大地震と大津波のよる被害を加えると、先行きが案じられます。同窓会会員の中にはこれらの災害に遭遇された方も居られると思いますが、何のご援助も出来ないでいることが悔やまれてなりません。
  さて、21世紀に入って生命科学の進歩は目覚ましく、人のゲノム解析が成就されたことは医学の進歩を鼓舞し、疾病の解明と統合医療に大きく貢献すると期待されます。研究を中心に据えた大学の組織替えにより国立基幹総合大学では大学院重点化が行われ、北大医学部は大講座18、協力講座6、寄附講座2で、26講座49の専門分野となりました。すなわち、旧講座は専門分野となり、定員の純増が殆ど無いために1専門分野当たりの定員は極端に少なくなり、それに事務処理などの雑用が多くなり、教官本来の任務である研究、教育、診療に割かれる時間が侵食されています。このような不備な状況下で、国は昨年4月から国立大学を独立行政法人化しました。しかし、基盤の確立が十分なされないままにこのような改革が行われたために、成果を生み出すまでにはかなりの時間を要するように思われます。
  このような状況下で、同窓会の目的である医学部の振興・発展に寄与するためには何を成すべきかを改めて考えなければならないように思われます。会員のご厚志に基づいて設置された若手を対象としたフラテ研究奨励賞の授与は今年2回目を迎えます。これに加えて各研究分野が協力して行う先見性のある優秀なプロジェクト研究に何らかの助成が出来れば医学部を活性化し、同窓会の存在理由は一層増大するものと思われます。そのためには同窓会の経済的基盤を確立する必要があるように思われます。何卒宜しく会員諸賢のご理解を賜りたいと存じます。
  21世紀に入ってから予想に反して極めて厳しい社会情勢が続いています。こういう時こそ学部と同窓会が一致団結して難題の打破に向かって進んで行こうではありませんか。
  会員諸賢の益々のご活躍とご健勝をお祈り申し上げますとともに、2005年が喜びの1年になるよう願って止みません。

 
<<<戻る

 
Copyrught(c) Hokkaido University Medical School Alumni Association.