齋藤 和雄
 副会長就任のご挨拶 -医学部創立90周年の事業を成功させよう-
小山 司(49期)
 

私は昭和四十八年に卒業し同窓会の一員に加えていただきました。平成五年から精神医学講座(現神経機能学講座精神医学分野)を担当しております。
  本年度の役員改選で、西医学部長が公務多忙のため副会長を辞任されたことから、教務を担当している私がその後任として指名されました。齋藤会長の同窓会と医学部の連携を密にするというご意向に添えるようその重責を果たしたいと思います。
  早速ではありますが、この紙面をお借りして、医学部の再開発について紹介させていただきます。医学部の現況についてご理解いただければ幸いです。周知のように、今や医学部は大改修工事の真っ只中にあります。医学部創設期の施設は昭和三十・四十年代に全面的に改築されましたが、それらは老朽化・狭隘化が進行し、その解決はここ十数年来の課題でありました。幸い、附属病院の再開発は関係各方面の御理解が得られ、平成八年に完了することができました。その際には同窓会から、新病院のロビーに「春風の舞」と題するレリーフの御寄贈がありました。また、教官・同窓会員等から多額のご寄付をいただき、改築した臨床講義棟の設備の充実をはかることができました。
  一方、研究室、講義室、実習室等がある研究棟の再開発は遅れていましたが、平成十三年度に策定された内閣府による「国立大学等緊急整備五ヵ年計画」に北大医学部の要求が取り上げられ、医歯学総合研究棟の新築及び南研究棟の大型改修が平成十六年三月に竣工しました。引き続き本年度は東南研究棟の改修が予定されています。残る東北研究棟、北研究棟、中研究棟ならびに管理棟の改修も順次概算要求が行われることになっています。
  大きな問題は平成十七年度に予定されている東北研究棟の改修です。この研究棟には、学生サークル室と学生食堂があり、改修時には移転しなければならず、また、改修後も現在位置での施設の拡充は大変厳しい状況にあります。しかし、両者ともに学生の課外活動および福利厚生のために必須の施設であることから、現在、関係各方面からのご意見もいただきながら代替施設案の検討が重ねられています。今後とも様々な問題に直面することと思いますが、同窓会員皆様のご協力とご支援もいただきながら、二十一世紀前半の医学部の大きな発展につながる再開発事業を立派に完成したいと願っています。
  北大医学部は大正八年に設置され、今年で創立八十六年を迎えています。この間、北海道内のみならず、国内・国外の各方面で活躍する八千四百六十四名の卒業生を送り出してきました。そして、今年四月、北大は国立大学法人として新たなスタートを切りました。国内外のあらゆる分野で変革が進むなか、北大医学部は新たなアイデンティティの確立が求められています。これまでに営営と築き上げられてきた医学部の伝統を振り返り、それらの歴史を踏まえて、更に新たな発展をはかるべく、不易流行の心構えで日々努力を重ねたいと思います。同窓会員皆様のより一層のご指導、ご支援をお願い致します。

 
<<<戻る

 
Copyrught(c) Hokkaido University Medical School Alumni Association.