齋藤 和雄
 年頭のご挨拶
会長
齋藤 和雄(35期)
 

  同窓会会員の皆様、新年明けましてお目出度うございます。会員諸賢におかれましては国際的にも、国内的にも大変厳しい社会情勢の中にあるとは言え、多くの難しい問題の解決を図ろうとする意気込みに溢れ、新年を迎えられたことと心からお慶び申し上げます。
  さて、同窓会誌発刊のご挨拶でも述べさせて頂きましたが、母校の北大医学部では研究を重点とする大学院重点化が完結し、新組織の専攻、大講座、専門分野が出来上がり、教授数48名、大学院生の定数は博士課程110名、修士課程20名となっています。医学士を養成する医学部医学科は大学院に附随する形となり、従来の学部に大学院が附随した形と丁度、逆の形となった訳です。また、昨年10月には、2つの新しい組織替えが認められました。その1つは医学部附属病院と歯学部附属病院が合体し、北海道大学病院となったことです。病院の建物は、各々従来どうりですが、遠い将来は歯病と合体した形の建物になると思われます。現在、大学院医学研究科と歯学研究科の総合研究棟が建築中です。さらに、既存の北、中、南棟は大形改修の計画で、臨床講座が入っている南棟の改修は、間もなく終わる進捗状況です。他の1つは長年懸案であった3年制の医療短期大学部が改組され、4年制の医学部保健学科が認可されたことです。学生募集は新年度からですが、医療の質が問われる今日、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士等のスタッフが4年制の一層充実した教育を受けることはきわめて意義深いと考えます。
  ところで、昨年11月の評議員会で決定された若手研究者の第1回研究助成が本年3月末までに行われる予定となっています。同窓会の目的の1つに揚げられている「会員の発展を図る」ことに寄与出来れば幸いと存じます。本年4月から施行される独立行政法人化では、大学の経済状況が危惧されます。そのような状況の中で、将来を担う若手研究者を啓発育成することは、社会にとっても重要で、発想豊な若手の研究成果が国内はもとより国際的にも貢献するものと期待されます。
  同窓会評議員会は各期から自主的に選ばれた代表で構成される極めてバランスのとれた集まりです。国内外津々浦々で活躍している同窓生の声が各期の評議員を通して伝わり、それが評議員会に反映すれば、そこで決定された事業は6,000名を超える同窓生が一丸となって参加し、執行する事業であります。
  同窓会の事業は、会員の貴重な会費によって賄われています。今回の若手研究者を対象とした助成事業は、田邊達三前同窓会長時代に実現した会費値上げにより、同窓会の経済状況が少し良くなり、余裕が出たからこそ可能となったもので、前会長を始め、全会員に衷心より感謝申し上げる次第です。しかし、同窓会の経済基盤は、まだまだ軟弱であると言わざるを得ません。経済基盤を安定強固なものにするためには、寄付等を受け入れることができる特別基金の設置等を考える必要があると思われます。母校に対する誇りをもっともっと醸成するためにもこのような基盤が必要ではないでしょうか。
  最後に、同窓会は決して政治活動集団ではありませんが、本年4月に行われる日本医師会長の選挙に43期の青柳俊氏が立候補しています。母校出身の日本医師会議員は勿論ですが、母校出身の関係各位から全国の代議員に働きかけて応援しようではありませんか。
  年頭に当り、所感を述べさせて頂きましたが、厳しい社会情勢下にあっても、会員諸賢の益々のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。

 
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