齋藤 和雄
 医学研究科長・医学部長再任のご挨拶

西  信三 (42期)
 

  2月13日の教授会において医学研究科長・医学部長に再選され、4月1日より2期目の任務に就いております。前期の2年間に、同窓会の皆様から頂きました温かい御支援と御意見は誠にありがたく、ここに厚く御礼を申し上げますと共に引き続き宜しくお願い申し上げます。
  井上芳郎 現副学長からその任務を引継いだ時は、まさに大仕事であった「大学重点化」を終え一年を迎えたところでした。その後、「仏作って魂入れず」とならぬよう大学院の充実のため努力して参りましたがその成果には忸怩たるものがあります。その問題点として(1)入学定員:1学年60名から110名にしましたが、14、15年度と定員割れし、入学者は90数名となっています。この数は医学部卒業生とほぼ同じであり、同窓会住所録からみると医学部卒業生の3分の1が道外に居住するというここ30年間の傾向を考えると、無理のないところはこの程度かという気もします。しかし、平成16年4月より2年間の卒後臨床研修の必修化が始まります。さらに定員確保が厳しくなると予想しています。大学院を魅力あるものにする努力が必要であります。平成14年4月に医学研究科に修士課程を設置し、他学部の卒業生を主とする20名の修士を受け入れました。本年は32名です。2年間の修士課程の修了者が博士課程に進学することを期待しています。(2)研究室:医学部研究棟は昭和47年の動物実験施設を除き何れも昭和45年以前の建築です。それ以降に13講座(分野)が設置されました。当然のこととして、研究スペースが大幅に不足しています。また、重点化の際に取り入れた大講座制も属する各分野が物理的に離れていることもあり、十分には機能しているとは言えません。これらを解消するには研究棟の整備が必要です。平成16年3月の竣工予定で総合研究棟が建設中です。この建物は歯学研究科・歯学部と共用するもので、12,000平方米(南研究棟の2倍の大きさ)あり、研究室と実習室が主です。間もなく、南研究棟の大型改修も始まります。大型改修では間取りもほぼ自由に変更でき、新築同様な姿に年内になるものと期待しています。明年度以降には残っている研究棟の大型改修をお願いしていますが3、4年を要するでしょう。
  この2課題以外にも大学院入学者には効率的且つ無理のないカリキュラムを提供できるように引き続き努力をしています。
  永年の懸案でありました、医療技術短期大学部の大学への改組による医学部保健学科の設置が認められ、10月に設置されます。明年4月には入学試験が行われ180名(3年次編入生を加えると卒業時には200名)が医学部学生として加わります。
それに伴う種々の制度などの整備のため現在努力しているところです。
  この上述の課題が解決の方向に至ったことは、教官・事務官の皆様方との共同作業であります。微力な私を激励して下さいました皆様に心より御礼を申し上げる次第です。「北大医学部の発展」をキーワードにこれから2年間務めさせて頂く所存でおりますので宜しくお願い申し上げます。
  また昨今、新聞、テレビで報道されております「名義貸し」の問題は、同窓会の皆様にとりましては大変に御迷惑でまた不愉快なことと深くお詫び申し上げます。しっかりと襟を正し、徹底した調査を行い事実関係を明らかにする予定でいます。その上で改めるべきは改めます。一般市民の皆様にも御納得が頂ける答えを出す積もりでおりますので、同窓会各位の変わらぬ御指導と御鞭撻をお願い申し上げます。

 
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