齋藤 和雄
 同窓会の絆
会長
齋藤 和雄(35期)
 

  同窓会会員の皆様、新年明けましてお目出度うございます。会員諸賢におかれましてはミレニアム3年目の元旦を迎えられ、新たな抱負と多くの希望で胸を膨らませておられることと心からお慶び申し上げます。

 旧年中は、医学部においては懸案の大学院重点化が進み完了したことです。これは21世紀を見据えて研究活動をより重視する改革であり、講座名が変わり戸惑いはありますが、基幹総合大学としての道を力強く歩み始めた年であります。一方、社会においてはサッカーのワールドカップが韓国と共同開催され、成功裡に終了したことの他、24年間も消息が不明であった拉致被害者5名が北朝鮮から帰国するという想像を超えた出来事に驚いた年でもありました。まだ他にも被害者のいることが推測されることから、核査察と同様に拉致人権査察の必要性が感じられます。日本経済の面でも良いニュースがない年でありました。しかし、最後に同時に2名がノーベル賞を受賞したことに喜び、ほっとした1年でした。

 さて、北大医学部は、今年で創立84年、同窓会は発足(1931年11月)して72年目を迎えました。卒業生は大正15年3月卒の第1期生から医学専門部卒、樺太医専卒および平成14年3月卒の78期生まで8,266名を数えますが、同窓会会員は物故者を除くと、現在約6,100名であります。これまで開学期、附属病院の設置、関東大震災、世界経済大恐慌、満州事変、2・26事件、第2次世界大戦、学徒動員、敗戦、学制の改正、インターン制度施行、経済第一主義、公害病、環境保全・影響評価、バブル崩壊の各々の時代を経験した同窓生、即ち、設立期、戦時体制期、敗戦期、講座・施設増設期、大学紛争期、国際交流期、大学院変革期の各時代に在籍した同窓生の皆様は、21世紀を迎え、厳しい経済不況の中にあってIT、人ゲノム時代に入った今、医学の進歩と医療制度間とのギャップと矛盾を強く感じ、ここから1日も早く脱却したいという気持ちで一杯と思われます。そして、このような時こそ同窓会の絆を強くして問題解決に役立たせたいと念願致します。

 昨年11月22日に理事懇談会が開催され、学部の活性化と医学部の発展に関連して、若手研究者の研究活動に対する助成等が話題となりました。2005年から独立行政法人化する医学部への協力助成、充実した同窓会活動を行うための地域ごとの集会にたいする助成等も考えられますが、会員諸賢から沢山のご意見を頂戴出来れば幸いに存じます。

 同日開催された評議員会では、本年3月31日付で定年退官される解剖学井上芳郎教授、神経内科学田代邦雄教授、泌尿器科学小蜥m彦教授、麻酔学劔物修教授の最終講義が3月4日に、79期生の新入会員歓迎会が3月17日に行われることが確認されました。お繰り合わせのうえ、多くの会員のご出席をお願いする次第です。

 年頭に当り、重ねて同窓会の強い結束をお願いし、厳しい状況下にあっても会員一同がより一層ご活躍されることを願ってやみません。最後に会員皆様の益々のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

 
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