齋藤 和雄
 年頭のご挨拶 -ミューチャル・コミュニケーション-
同窓会会長
田邊達三(30期)
 

 年頭にあたり会員の皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。皆様には新たな希望や期待を胸にされて、新春をお迎えのことと拝察いたします。
  私どもはいつも感慨を新たに新年を迎えますが、新世紀の始めであった昨年には戦争と競争で明け暮れた20世紀に対して、21世紀こそ平和と協調の世紀であることを期待しました。ところが初年度から多くの予測や期待に反して国の内外で大変な事態が次々に起こりました。医学、医療の分野でも例外ではなく、時代を画するビックバーンが続いています。生命科学とバイオ、情報科学とコンピューターの進歩は予測が難しく、さらに複雑化する生命観の相違など人類の存亡にも係わる深刻な課題も挙げられています。従って現在では一刻も早く人類が育んできた叡智を結集して、21世紀が相互の理解に基づいた平和で生命尊重の世紀になるよう努めることが求められてきています。
  同窓会の活動においても、母校の先端的な学術活動を支援して医学の発展を期待しながら、お互いの親睦を深める活動のなかで、生命倫理などの問題についてプロとして選択肢を示す役割も期待されます。今後、ますます科学技術が進み、複雑な時代が予測されますが、専門に係わる医療問題とともに、会員が有識者として幅広い素養や人間性を磨き、相互理解を深め、社会の協調や融和をリードしていく役割を担っていくことも必要と思われます。
  この同窓会新聞もとくに編集委員の格段のご尽力で充実され、「海外で活躍する同窓生」、「留学生は語る」、「新世紀の医学に向けて」、「先生ご無沙汰しています」などが取り上げられ、連載も好評のなかで続けられてきました。紙面も4ページから8〜10ページにまで拡大され、内容も豊富で濃いものになってきています。一般に広くコミュニケーションの必要性、重要性が叫ばれていますが、年頭にあたって学内外の同窓生の一層の交流と連携のために、例えば「各地フラテ会便り」、「会員のひろば」なども大いに活用され、同窓会新聞をさらに充実していただきたいと願っています。遠く離れていても絆を深めながら、同窓会の活動に一層の活力を生み出すために、今後とも会員皆様の一層のご理解とご尽力を大いに期待いたします。
  年頭にあたり改めて同窓会の一層の発展を祈念いたし、末筆になりましたが、会員皆様のますますのご発展とご多幸を祈念申し上げます。

 
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