本間 研一
  フラテ講堂の思い出
前理事長
藤田 平治郎(26期)
 

  禅譲の形で今村哲二先生から理事長を引き継いだのが平成三年。直ぐに海外学術交流基金とか、同窓会館を含んだ学術講堂の設立などの問題が提起されました。関係金融機関とも相談しましたが、付和随行ではありませんで、時の政治不安定、経済不況が影響しまして、結局は時期尚早ということで、一部の方々の不満を残しながらも成立しませんでした。
  私は就任来、人の和を第一と心掛けてきました。決して豊かな同窓会の財政とは言えない状態でありましたから、横田一郎、加藤正道両副理事長、大河原章監事始め理事諸公には随分ご苦労をかけたと思っておりますが、これらのことは次の新臨床講義棟(フラテ講堂、臨床大講堂)の件で、忘れられない快挙になりました。
  平成六年三月新病棟竣工記念の祝賀会席上、大浦、阿部(弘)両教授の耳打ちで、新臨床講義棟の設備に関するお話があり、その後四月と六月に学部長から正式のお話がありました。そして講義棟は平成六年度末に完成すること、従って募金は急を要すること等が示されました。前記の学術交流基金とか、同窓会館の件があった間もない頃でしたから、多少の危惧を抱いて八月の理事会、評議員会合同会議で皆様にお計りしましたところ、母校を愛する気持ちが優先したのでしょう、新臨床講義棟整備期成会の設立が満場一致で認められた次第でありました。勿論教授会を始めとする学内の協力が前提ではありますが、目標を約九千万円、応募人数を約三千人と予定し、これに北海道医師会等のご協力を得ることが出来ました。この運動程同窓会と学内の意思の一致を見たことは無いと思っております。
  副理事長達の必死の活動が実を結んで、国税局の免税許可を得、九月には同窓生各位に文書発送、最終的には九十七パーセントの募金が集まりまして、素晴らしい視聴覚機器の設置が出来、このフラテ講堂を利用する学生諸君や教授達から多いに喜ばれたわけであります。後日解剖の阿部和厚教授から北大創基百二十周年記念行事に使わせて頂き、利用者から多大の賛辞を頂いた旨のお礼のお手紙を頂戴しましたが、この事をみても「良かった」と手を握りあって喜んでおります。
  平成七年十月二十一日には多くの同窓生にこのフラテ講堂を見て頂きまして、インタネットワーク等のデモンストレーション等が披露されました。
  十二月には国税局に関係書類を提出して、期成会としての業務を一切終了し、十二月四日に各役員にお礼の手紙を差し上げ、また同窓各位には同窓会新聞第九十三号(平成八年一月二十日)の巻頭言で経過報告とお礼の言葉を述べました。フラテ同心をしみじみと感じた仕事でございました。何かにつけてどうぞこのフラテ講堂をご利用下さい。有り難うございました。

 
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