齋藤 和雄
  北大医学部同窓会新聞 100号記念に寄せて
元理事長
今 村 哲 二(19期)
 

 北海道大学医学部同窓会新聞の第一〇〇号発行を喜びお祝申し上げますとともに、歴代新聞発行にご尽力くださった編集部の皆さんに心から感謝申し上げます。また、毎号に心よくご寄稿くださいました諸先生に心から御礼を申し上げる次第です。
  ひと口に一〇〇号と申しましても、第一号発行が昭和三十六年(1961)ですから三十七年にもなるわけで誠に感無量のものがあります。
  第一号発行にいたるまでの経緯やご苦心については別に述べられると思いますが、それまで会員皆さんとの交流は隔年の名簿と同窓会誌だけでしたが、同窓会の活性化を図るためにタイムリーな情報の交換が大事だということになりました。
  なにしろ零から始めるのですから当時の編集長都留君はじめ橋本先生、松宮先生ほか編集部の先生方のご苦労は察するに余りあったものと思われます。当初はどうしても学内の記事が多くなりがちでしたが、これを学外並びに全国の会員の情報もできるだけ載せることになり、紙面も四頁から六頁に増加し、表紙の一面はカラー写真として親しみやすい今日の姿になったわけですが、その一つ一つが苦心の積み重ねであった事であります。
  兎角、機関紙は主義主張が多く無味乾燥で読みにくいものが多いものですが、本紙は編集報道の公正と自由が保たれていて内容が豊富でしかも読み易く、親しみやすいのが特徴と思います。読んでもらえる紙面をめざして益々のご努力をお願いするものです。
  紙面の内容も充実して参りましたが、元発行責任者として至らなかった点を反省しお詫びいたします。
  その二、三を申し上げますと、

  1. 同窓会の動静をその都度のせること。理事会、評議員会の問題と議案、審議の過程を報告して会員のご理解とご意見を伺うことです。当面の問題ばかりでなく長期的な構想。例えば同窓会基金の問題など。医学部開学八十年も目の前ですし、開学百年も遠いことではありません。差し迫ってからの一時的募金には自ら限度がありますので長期の積立てによる基金造りも一つの方法かと思います。ここでもインフォームドコンセントが必要です。
  2. 会員の自由なご意見を求めて相互の交流親睦を推進する。会員の意見投稿。
  3. 基礎・臨床教室の最近の研究と業績の紹介。北大も大学院大学への移行が進められており、本学卒業生ばかりでなく内外の他校出身の入学が勧められています。三〜四年で一巡を繰り返す程度の自己紹介も考えられると思います。
   さて、東京フラテ会に出席しました時、皆さんが「都ぞ弥生」を最後まで歌われるのに感激したことがあります。戦時中任地の九州では他校出身者ばかりの中で一人の北大先輩にお遇いしたときの感激は今も忘れません。同窓会の原点だと思いました。大勢のフラテ会は勿論ですが、三人・五人のフラテ会はそれに劣らない意義があると思います。情報をお寄せいただきご発展をお祈りしたいものです。
  「故郷は遠くにありて想うもの」と言われますが、遠く離れるほど、また月日の経つほど故郷の存在は大きくなるものと思います。
  北大は私達の母校であり心の故郷であります。同窓会はその懸橋でありたいと希うものです。
  少し脱線しましたが、新聞一〇〇号発行を慶び、同窓会並びに北大医学部の益々の飛躍発展を心から念願いたします。    
 
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